クリスキット 　Chriskit パワーアンプ　P-35Ⅲ　終段素子換装　完動品

クリスキット Chriskit  パワーアンプ P-35Ⅲ 終段素子換装 完動品です。オークションで入手したP-35Ⅲ動作品を再整備したものです。P35Ⅲは、故桝谷英哉氏が企画販売していたクリスキットのトランジスタパワーアンプです。回路はJBLの著名トランジスタアンプに範をとった古典的でシンプルなものです。NECの小信号トランジスタ、エルナのオーディオ用コンデンサ、理研の2％級1/2W抵抗、ガラスエポキシ基板等の高品質部品を使用することで安定した優秀な音質を確保していました。出力は8Ω負荷で35W×2で、著しく能率の低いスピーカーでなければ十分な音量が得られます。P-35Ⅲは、半導体メーカーの素子供給状況によって出力トランジスタが変遷しています。初代と2代目がメタルキャン型、3代目と4代目はモールド型です。入手機種の終段は2SA1940と2SC5197のモールド型で最終の4代目でした。入手したP-35Ⅲは、正常に動作していました。このアンプの製作者はスキルが高く配線の整理やハンダ付けも綺麗に処理されていました。ただ何らかの効果を狙ってか入力コンデンサがオリジナルとかなり異なる仕様のコンデンサに交換されていました。これについてはオリジナルを尊重して新品のタンタルコンデンサに戻しました。使用されている電解コンデンサは、電源ブロックコンデンサも含めエルナのオーディオ用Cerafineで整備後のヒアリングで問題ないと判断し無交換としました。やや劣化していたACコードは新品に交換しました。終段のモールド型トランジスタについて、オリジナルから周波数特性の優れたサンケン製のLAPTマルチエミッタ型に換装しました。マルチエミッタ型トランジスタは、クリスキットP-50型パワーアンプで桝谷氏自身がオプション設定していた他、NECのA-10シリーズやサンスイのアンプでも長期に亘り採用されていて性能には定評があります。個人の感想ですが音の厚みが増したと感じます。全体としては、クリアで細部描写に優れたオリジナルの音質の延長上にあります。終段トランジスタを交換しましたのでDCバランスとアイドリング電流を再調整しました。現在、完全動作を確認しています。このアンプは丁寧に扱われていたようで、外観等は綺麗な状態を保っています。出品内容は本体と回路図の載った組立説明書のコピーです。スキルのある方は他の終段素子に交換して音質比較するのも楽しみかと思います。到着時に動作しない場合を除きノークレーム、ノーリターンとさせてください。ゆうパックおてがる版100サイズでの発送を予定しています。